百万遍の交差点で、三十半ば辺りの女がため息をついた。右手に笹竹を持っている。その小さくもない笹竹にちらと目を遣る。今日は七月四日である。それが七夕のものであることは、誰が見ても分かる。が、ため息の理由は隣からでは分からない。つい先ほどまで…
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