雨の日に月光町で、賀茂茄子を買い、赤味噌を買い、卵を買い、砂糖を買い、サラダ油を買い、小麦粉を買い、けしの実を買い、藍色の金魚が泳ぐ器に赤味噌砂糖、二つに割った卵の殻の器から黄身を落として、ずいずいずっころばしを口ずさみながら粘るまで練り、賀茂茄子を回転させながら包丁で蔕を切り落とし、俎板に横たえ、縦半分に切り分け、尻の皮を薄く削いで平らにし、返した切り口に子どもの描くパイナップルのように格子に刻みを入れ、小麦粉を薄く降らせ、透明なサラダ油を熱したフライパンに粉で白い切り口を伏せ、弱い火で桜の枯葉のようになるまで焼き、表に返し、味噌を落として均し、蓋で閉じ込め、味噌の表が変わってきたら、再び伏せ、再び焼く、味噌が匂い立つまで。

 「運河ハ其長凡ソ五千間ニシテ、斷面圖ニ示ス如ク干潮ニ二十八尺ノ深水ヲ保タシメ、敷幅二十二間左右二割法ニ掘鑿シ大船ノ往復ニ支障ナカラシム」(「市区改正と品海築港計画」東京都情報連絡室1976年)

 「相馬の施設が本格開所 「ヴィトン」グループの復興支援」(平成26年7月3日 福島民友ニュース・minyuーnet掲載)