後白河法皇は、院政執行三十余年の間、三十四度熊野を詣でている。異常な回数である。熊野は浄土と見なされていた。浄土は、誓願修行の果ての悟りの世か、悟りそのもの、あるいはその死後に待つ西方の地のことである。熊野は、観音菩薩の住むという補陀落浄…
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