2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

御室仁和寺(おむろにんなじ)と呼ばれる大内山仁和寺は、仁和四年(888)の本堂落成であるが、その歴史は、上皇となった後の、昌泰二年(899)に出家し第一世となった宇多法皇から始まる。仁和寺第二世性信入道親王は、三条天皇の第四皇子であり、第…

安永九年(1780)に世に出た『都名所図会』の神泉苑の記述を読めば、その文間に隠れ潜む事柄があるとしても、この池にまつわる来し方のあらましの元(もとい)は知ることが出来る。「神泉苑は御池通大宮の西にあり。(真言宗にして、東寺宝菩提院に属す…

借景庭園でいの一番に名の挙がるその庭に面した濡れ縁を、三人の女が仏殿の角を曲がって一人ずつ現れ、その端まで歩いて行く。先頭の老婆は九十手前の様子で杖を突き、その後ろを七十ほどの女、六十ほどの女が続き、前の二人の面立ちは目鼻に似たところがあ…