2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

嵯峨鹿王院(ろくおういん)の拝観受付者が、手元の紙の枡目の中に線を一つ加え、正の字にする。枡は横一列に十枡あり、いま正の字で埋まったのは、上から三列目の半ばである。午後二時を過ぎての拝観者が百数十というのが、多いのか少ないのかは分からない…

旅案内『京内まいり』は、洛中洛外を三日で巡る旅程である。その最終三日目は、「下賀茂より二條の御城迄の名所」をしるすとし、「下賀茂へゆくには寺町通を今出川まであがり東の方河原へ出れば東北に糺(ただす)の森見ゆる三條寺町の辻より貮(に)拾丁余…

『京内(きやううち)まいり』(宝永五年(1708)刊)に、「禁中 南北百九拾八間東西百貮拾五間半凡人(ほんにん)常(つね)の時御門に入らず時により御免(ゆる)しありて拜覧する日あり。」と載っている。『京内まいり』は、守拙斎が書き表した旅案内…