2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

鳶尾草(イチハツ)や一椀に人衰へて 綾部仁喜。鳶尾草はアヤメを小ぶりにしたようなアヤメ科の花であり、アヤメよりも早く、水のないところに、いま頃の時期に咲く花である。俳句はこの鳶尾草の花、あるいはイチハツという言葉に、人が衰えるというありきた…

喉頭癌を患い職場を去って行った韓国籍の同僚だった者が、天神川の桜が奇麗であると、遠慮深げに云ったことがある。桜の話をしたのは、恐らく去年か一昨年のいま頃である。それより以前には、その者とは見ず知らずの関係であり、その者の退職は去年の夏であ…

平清盛の長男平重盛の次男、平資盛(すけもり)との恋愛の歌で知られる和歌集『建礼門院右京大夫(けんれいもんいんうきょうのだいぶ)集』の右京大夫(うきょうのだいぶ)は、高倉天皇の中宮として安徳天皇を産んだ平清盛の次女平徳子、建礼門院に仕えた女…