2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

JR嵯峨野線の花園駅の北西に、こんもりとした緑の丘陵があり、それが雙ヶ岡(双ヶ丘、ならびがおか)で、樹木の根の下は雙ヶ岡一号墳、二ノ丘谷古墳、三ノ丘古墳と名づけられた古墳群である。南北朝の頃、この西麓に『徒然草(つれづれぐさ)』の作者兼好…

「花柳の巷と六道の辻の間にあるのが建仁寺、昼下りにはこどもらの遊園となる」と言葉を添えたモノクロ写真には、滑り台で遊ぶ子どもらと、傍らの乳母車の赤ん坊をあやす子どもの背後に、仏殿がぽつんと写っている。この写真の掲載は、昭和三十七年(196…

この時期町中(まちなか)の和菓子屋は、水無月、みなづきと書いた紙を店先に貼り出す。水無月は、外郎(ういろう)の上に小豆を散らした三角形の餅菓子である。半透明の白い外郎は、平安御所の氷献上の行事「氷室の節供」の貴重だった氷を模し、小豆は邪気…