2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

都忘滋賀より京へ嫁せし人 今井妙子。都忘れという花の名は、第八十四代順徳天皇が詠んだとされる「いかにして契りおきけん白菊の都忘れと名づくるも憂し」からきているという。どういう理由で毎年きまって花を咲かせる白菊を都忘れ、都にいたころのことを忘…

山吹によき句すくなし今むかし 泉鏡花。松尾大社の境内を流れる一ノ井川の両の淵に山吹がいまを盛りに咲いていて、松尾大社はやまぶき祭の看板を掲げているが、かつて「山城井手(現在の綴喜郡)玉川」が山吹の名所であったといわれ、池西言水が「山吹は人の…

その日紫野大徳寺の境内をぶらぶらしているとどこやらから笛鉦の音が聞こえて来て、耳を澄ませるとその囃しの音はだんだんこちらに近づいて来るようで、待っていると音は次第に大きくなり松の間から行列が見えて来る。先導する二三人の裃姿の年寄りの後ろを…

川沿いの桜が散った天神川に架かる三条通の橋の名は猿田彦橋である。その名の由来は橋の袂にある猿田彦神社から来ている。猿田彦神社の祭神は猿田彦神で、猿田彦神は、「天孫降臨に際し、八衢(やちまた)に立って天孫を迎え、日向の高千穂の槵触之峰(くし…