2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

この日の京都府立植物園。 「神は、私たちがローマへの旅人だから、私たちだけをお守りくださったのだろうか。私たちは鼻水一つ出なかったのに、合わせて三十二人の人々が死んでしまった。」(「少年讃歌」三浦哲郎『三浦哲郎自選全集第六巻』新潮社1988…

秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行。『古今和歌集』秋歌の巻に載る歌である。些(いささ)かすでにいまのこの紅葉の時期からは外れた歌であるが、この藤原敏行の不可思議な話が『宇治拾遺物語』にある。「これも今は昔、敏…

「瑞竜山太平興国南禅禅寺は、東三条の北にあり。旧(もと)亀山法皇の皇居なりしを、開山大明国師に賜ふて五山之上の号を蒙る。当山の記に曰く、太上皇亀山院、弘安年中(1278~1288)にこの地に離宮をいとなみ給ふ。正応のはじめ(三年、1290…