2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧

めの字絵馬堂一面に秋晴るゝ 川端茅舎。このような光景をどこかで見たことがあるような気もするが、テレビの番組か本の風景写真で見たのかもしれない。つげ義春の漫画「ねじ式」に、海で泳いでいてメメクラゲに噛まれた腕の出血が止まらず、村の医者を探し目…

ひろびろと稲架の日なたの日のにほひ 長谷川素逝。稲架(はざ)を見たことも、刈り取った稲に触ったことがない者でも、何となく「日なたの日のにほひ」を想像することは出来るかもしれない。が、足元のまだ固まっていない、踏めば履き物を汚すこの時期の田圃…

『京都という劇場で、パンデミックというオペラを観る』は、小説家古川日出男が今年六月に出した小説である。古川日出男は福島・郡山の出身で、実家の椎茸栽培が平成二十三年(2011)三月の原発事故で放射能の被害を被ったという。『京都という劇場で、…