2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧

通りすがりに赤い花が目に入り、そこがJR円町に近い下立売通の法輪寺であることはあらかじめ分かっている。その花が芙蓉であることも見当がついた。「達磨寺の通称で知られる法輪寺は、享保12年(1727)万海によって創建された臨済宗妙心寺派の寺で…

くらがりに京の声聞く六斎講 石原静子。六斎の揃うてきたるあしのうら 西野文代。六斎の鉦打ち男齢(よはい)澄む 西川保子。実際に澄んで聴こえるのは、年を経た技が打ち鳴らす音色であろう、云うまでもなく一心に。「六斎念仏。中世初頭ごろから京都を中心…

送り火の京言葉にてお舟はん 百合山羽公。「毎年七月十六日の夕暮れ、大文字の送り火は銀閣寺の後山、如意カ岳にあり。むかしこの麓に浄土寺といふ天台の伽藍あり。本尊阿弥陀仏は一とせ回禄(火災)のとき、この峰に飛び去り、光明を放ちたまふ。これを慕ふ…

さつきから夕立の端にゐるらしき 飯島晴子。この句の人物は、時間も場所もそこにいる理由も曖昧で何も断定出来ない。たとえばその場所らしい「夕立の端」とはどこか、夕立の降っている内側か、あるいは降っているのが目の当たりにもかかわらず濡れないところ…

手にとりてかろき団扇や京泊り 有働 亨。去来忌や折ふし妻の京訛 川越蒼生。「向井去來。氏は向井、姓は藤原、名は兼時、通稱平次郎、又次郎太夫といふ。肥前長崎の醫官、向井元升が二男にして、兄震軒と共に入洛し、天文暦數の學を以て、堂上家に仕ふ。後隠…

掛香や派手な浴衣の京模様 河東碧梧桐。浴衣にも裁掛をつけ京育ち 阿波野青畝。「掛香」は匂い袋を室内の柱などに掛け、香りを味わうという。「裁掛」は分からない。浴衣に裁った同じ布を着物のように掛け衿としているということか。秋風に浴衣は藍の濃かり…