2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

押入の奥にさす日や冬隣 草間時彦。映画監督小津安二郎は、普段の日常を芸術にしたといわれている。最早一日の日は短く、低く空を巡っている日の光がたまたま開けた押入の中に射し、その不意打ちのような光に思わず戸を持つ手が止まり、寸前まで押入を開けて…

神宮道は、平安神宮の應天門の前からはじめれば、冷泉通、二条通を越え、左右に府立図書館、国立近代美術館、京セラ美術館を見、大鳥居を潜り、琵琶湖疏水に架かる慶流橋を渡り、仁王門通を越え、三条通を超え、青蓮院(しょうれんいん)を過ぎ、知恩院の山…

谷崎潤一郎は小説『細雪(ささめゆき)』で、一家の四人姉妹の次女の幸子を「鯛でも明石鯛でなければ旨(うま)がらない幸子は、花も京都の花でなければ見たような気がしないのであった。」と書き、毎年姉妹で見る平安神宮の「神苑の花が洛中における最も美…