2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

七月二十四日の祇園会後祭の黒主山の今年の巡行の順は七番目である。「謡曲「志賀」にちなみ大伴黒主が桜をあおぎながめている姿をあらわす。御神体(人形)は寛政元年(1789)五月辻又七郎狛元澄作の銘を持つ。山に飾られる桜の造花は粽と同様に戸口に…

鉾を待つ二階手摺の緋毛氈 野村泊月。綾小路西洞院西入の芦刈山の、七月十七日の祇園会前祭の今年の巡行の順は第四番である。芦刈山には、鎌と芦を両手に持った翁が芦原の中に立っている。「山」には賑やかな囃子方は乗り込まず、緋色の縁取りの獅子の段通や…

短夜や一つまきたる草の蔓 玉木北浪。『新歳時記 虚子編』(三省堂1934年刊)の「短夜」はこう記されている、「短い夏の夜である。夏至は最も短い。俳句に於ては、日永は春、短夜は夏、夜長は秋、短日は冬。これはそれぞれ理由がある。先人の定めた所、…