2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

初めて曲がる曲がり角の道のその先の小道が行き止まりであるかもしれぬことは用心をしていても起こり、その小道が思わずも知った道に通じていたということもあるのであるが、太秦広隆寺の手前の三条通を南に曲がって初めて入った狭い住宅道の行き止まりとな…

橋早春何を提げても未婚の手 長谷川双魚(はせがわそうぎょ)。たとえば、「早春に」、あるいは「早春の」、何を提げても未婚の手、とすれば、調子は滑らかになり、早春という季節の未婚の、恐らくは女の手の瑞々しさはすっきりする。が、長谷川双魚は、頭に…

車谷長吉に「三笠山」という短篇小説がある。己(おの)れの商売が行き詰まり、一家四人で心中をする話である。京都大学医学部に合格したその日に父親が二人死亡の交通事故を起こしたことで、男は進学を諦めて建材会社に入り、後に独立し、高校の同級生で子…

一休さん、一休宗純(いっきゅうそうじゅん)は第百代後小松天皇の落胤(らくいん)として洛南京田辺の酬恩庵、一休寺にある墓は宮内庁によって管理されている。一休宗純の弟子没倫紹等墨斎が書いたという『東海一休和尚年譜』には、酬恩庵で迎えたその最後…