2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

天正十八年(1590)天下統一を果たした豊臣秀吉は、翌十九年京都市中の東西南北を後に御土居と呼ばれる高さ四メートル前後の竹を植えた大堤で囲い、賀茂川から鴨川に沿ったその東の御土居の内、六条通から鞍馬口通の間に、市中にあった百十七の寺院をか…

下京の梅雨の紅殻格子かな 室積徂春(むろづみそしゅん)。「上京」でも「中京」でも「右京」でも「左京」でもない、明治十九年(1886)生まれの室積徂春の口から出る「下京」は、恐らく「中京」も「右京」も「左京」も行政区としてまだ存在しない「上京…

雨やどりやがて立ちゆく遍路かな 清原枴童(きよはらかいどう)。この俳句の季語は遍路で、季節は春である。車谷長吉に『四国八十八ヶ所感情巡礼』と題する紀行文がある。「私はいま六十二歳である。六十歳の時、うちの嫁はん(高橋順子)の発案で船で世界一…

毎年の冬の京都の駅伝は、西京極陸上競技場と国立京都国際会館前を往復する。この国立京都国際会館は、松ヶ崎の二つの山を回り込んだ所にあり、この二つの山は、五山の送り火の「法」と「妙」が灯される山である。この松ヶ崎東山と松ヶ崎西山の裏の窪みにあ…