2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

平安の法典「延喜式」の神祇の巻の「神名式」に二千八百六十一の神社が官幣社として記載され、祈年祭に国から幣帛(へいはく)を受けるのであるが、その四時祭以外の臨時祭祀の一つの祈雨(アマゴヒ)神祭では、その神社の内の八十五座の祭神が指定され、京…

聖護院の門内に、数十人の修験者男女が集い、その幾人かは二三の者らと談笑している。修験者は山伏とも呼ばれ、常日頃は山野で修する者らである。一月のこの時期、この修験者らは七日の内に、市中三千五百の信徒の一軒一軒を托鉢して回るという。午後一時一…

鉄棒に少年二人二日の朝 佐藤鬼房。二日は、約束事として正月の二日である。物語の一場面として、このような場景はあるかもしれない。テレビCMであれば、この直前に年始の賑やかな家の様を置いて繋げれば、少年二人の何かしらの気分は否応なく場面に現れる…

白朮(をけら)詣りを知ったのは、子ども時分にテレビで見たニュース映像で、その大晦日の夜、八坂神社の境内に吊るされた燈籠の火を細い縄に移し、火の点いたその赤い縄の先を手元で回しながら町中の夜道を歩いていたのは、自分とその年恰好の同じ子どもで…