2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

嵯峨小倉山の山裾に細長い姿の小倉池がある。東側の縁(ふち)を辿って南へ上がれば大河内山荘で、北に歩を進めれば常寂光寺の門前に出る。朝日が昇れば西の縁の小倉山を目指して光が射し込み、その日が中天を過ぎれば忽ちに陰って静まり返り、辺りの竹林が…

また『宇治拾遺物語』に「渡天の僧、穴に入る事」という話がある。「今は昔、唐(もろこし)にありける僧の、天竺に渡りて、他事にあらず、ただもののゆかしければ、物見にしありきければ、所々見行きけり。ある片山に、大きなる穴あり。牛のありけるが、こ…

信心のある親が幼な子を仏壇の前に座らせ、「まんまんちゃん、して」と云う。神社の鳥居を潜って、「まんまんちゃん、あん」と我が子を促す。道端でも手を合わせ、「あん、して」と拝むものを教えられる。幼な子が自分からそうし始めれば、「まんまんちゃん…

西ノ京御輿ヶ岡町の北野神社御旅所にテントが張られ、網で覆った内のテーブルの上に梅が整然と干されていた。これは一度塩漬けされた梅で、今月、七月の下旬に再び北野天満宮の本殿前で天日干しされ、年末に近づく頃御守りと一緒に授与品として巫女の前に並…