2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

数本の早咲きの白梅や蠟梅(ろうばい)や寒桜やシナマンサクが咲いたぐらいで、立春を過ぎた京都府立植物園に人が大挙してやって来ることはない。広場の芝生は枯れ、菖蒲池の水は抜かれたままで、薔薇園の薔薇は刺さった棒のように剪定され、これから種を蒔…

節分の厠(かわや)灯してめでたさよ 篠原温亭。この厠は外厠であろう。一家の主(あるじ)が一年に一度の、家族総出の「騒動」を了(お)えて厠に立った。思わずも高揚した気分は、出す小便とともにしみじみと静まってゆく。めでたさは連綿と続いてきた行事…

年末が近づくと町内会を通して、「平安神宮守護」という札が配られる。これは京都府下の住民は皆平安神宮の氏子であり、この一枚の札により諸々から皆を守護するというものである。「明治二十五年(1892)の初め、文明評論家・歴史家として著名な田口卯…