2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

松尾大社の二の鳥居と楼門の間の参道に直径二メートルほどの茅の輪が設けられていた。これを潜ることで半年の穢(けが)れを祓(はら)うことになるという夏越の祓いのためのものである。その傍らに潜り方を記した札(ふだ)が立っている。まず左側から潜っ…

仏性は白き桔梗にこそあらめ 夏目漱石。仏性(ぶっしょう)は、「衆生(一切の生きもの)が本来有しているところの、仏の本性(ほんしょう)にして、かつまた仏となる可能性の意」(『岩波仏教辞典第二版』(岩波書店2002年刊)とされているが、漱石は白…

蕪村忌の心遊ぶや京丹後 青木月斗。与謝蕪村の本姓は谷口で、与謝と名乗るようになったのは、母親の出身地である丹後与謝で四十過ぎに幾年かを過ごした後である。丹後国は「太邇波乃美知乃之利(たにはのみちのしり)」という呼び方をするという。「和銅六年…