2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

二條城から東へ、堀川通と堀川を渡り夷川通(えびすがわどおり)を入って暫く行くと左手、北側に滑り台シーソー鉄棒ブランコ砂場の揃った夷川児童公園があり、中に「陽成院跡(ようぜいいんあと)」と書いた案内板が立っている。「この夷川公園一帯には、南…

桂川に架かる松尾橋の東詰の空に、「罧原堤四条」という道路標識が立っている。「ふしはらつつみしじょう」と読み、四条通と交わる土手道が罧原堤である。元禄三年(1690)に出た『名所都鳥』の「堤之部」に「伏原堤、嵐山の麓頼業(よりなり)の社(清…

「対岸の桜」という小説があり、「私」という不動産業を営んでいる人物が、長年東京で教師をしていたという片足の不自由な者に鴨川の向こうの物件を紹介し、その者は古本屋を始めたのであるが、五年足らずで火を出して亡くなるというのがその話のこれまでの…

氷店の一卓のみな喪服なる 岡本眸。天麩羅屋でもなく鮨屋でもなく、喪服を着た者らはかき氷を匙で掬って口に入れている。喪服を着ていても腹はへり、腹がへれば飯屋へも入る、がこの者らは喪服姿でかき氷を啜っている。夏のある日葬式か法事の帰り道で軒先に…