2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

紫野大徳寺の坂を上った西の離れの塔頭孤篷庵(こほうあん)の公開は七年振りであるという。孤篷庵は小堀遠州の寺である。小堀遠州は初代の伏見作事奉行で、二条城、後水尾上皇御所などを造作し、江戸期の作庭を語ればその筆頭に名が挙がる人物である。孤篷…

五月二十一日が「小満」であるという。「陰暦四月の中で、立夏の後十五日、陽暦の五月二十一日ごろにあたる。陽気盛んにして万物しだいに長じて満つるという意である。」(『カラー図説日本大歳時記』講談社1983年刊)たとえば、丸太町通から雙ヶ岡(な…

だるま寺、法輪寺のそばを流れる紙屋川の橋の上で、聞きなれない鳥の声を聞いた。聞きなれないというのはこちらが聞きなれないということにすぎないのであるが、声は下の底浅く流れる水の上に青葉を繫らせる桜の木からして、声の主は二度ばかり鳴いてだるま…

森の中の道ゆく葵祭かな 京極杞陽。今年も葵祭は中止となった。が、中止になるのは五月十五日の「路頭の儀」といわれる一キロの長さになる参向行列である。その葵祭のはじめの神事である下鴨神社の流鏑馬(やぶさめ)が五月三日に三年振りにあった。これは祭…