2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『養生訓』で人間の健康を説いた貝原益軒(篤信)が、京都見物の手引き『京城勝覧』を書いている。その十七日間の物見の第十三日目。「鞍馬山にゆく道をしるす。京より三里あり、貴布禰(きぶね)によれば少し遠し。貴船を見てくらまにゆくも、一日にはたや…

昭和二十五年(1950)、二条城の一角がアメリカ進駐軍のテニスコートになった。太平洋戦争終了直後、アメリカ陸軍は、その第六軍司令部を烏丸四条下ルにあった大建ビルに置き、市内の建物施設を次々に接収していった。京都駅前ステーションホテル、司令…

芭蕉の桜の句の云う、さまざまの事、に対する言葉が、一つことであれば、桜で思い浮かべる一つことは、木下恵介の映画『二十四の瞳』の汽車ごっこである。映画『二十四の瞳』に、高峰秀子扮する大石先生が受け持ちの生徒らと縄で模した汽車で、丘の上の満開…