六道珍皇寺の本堂脇の階段を、四十手前の女が履いていた靴を脱いで上がり、板戸に切った格子穴に顔を当てて内を覗いた。その傍らの閻魔堂の戸に空いた二つの格子穴を、五十過ぎの夫婦が別々に覗いていた。夫婦が覗いているのは、小野篁(おののたかむら)と…
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